明白な不法投棄事件

2011.10.01

製紙業界の関係者はこう語る。「納入先から高い白色度を求められ、コピー機の能力に対応するには、古紙100%ではとても無理だった。大量の古紙が中国に輸出され、高品質の古紙が手に入りづらくなった。こうしたことが偽装を生み出す背景にあった」もちろん、ウソをつくのは悪いことだが、この事件では、古紙の配合率が高いほど環境によいという社会全体の風潮にも問題があった。無理に古紙配合率を高めても、それにかかる薬剤やエネルギー量も増え、本当に環境にいいことなのか疑問もある。むしろ、国産材からできた紙製品の需要を増やすなど、柔軟な姿勢も必要ではないか。環境白書のグラフから削除された、リサイクル偽装事件とは中堅化学メーカーの石原産業(本社・大阪市、工場・三重県四日市市)が、有害な六価クロムや放射能物質を含んだ産業廃棄物に、「フェロシルト」という名前をつけ、リサイクル製品の埋め戻し材と偽って売り出した。2001年から2005年にかけて中部地方の山の中や住宅地に不法投棄した量は72万トン。国内最大のリサイクル偽装事件だった。この事件は、石原産業と幹部らが有罪判決を受けた明白な不法投棄事件だ。